脊椎内視鏡手術とは

日本で生まれた脊椎内視鏡手術

2008 米国メンフィスにて
MEDを開発したFoley教授

1997年腰椎椎間板ヘルニアに対して脊椎内視鏡を用いた低侵襲手術(MED)が米国から論文報告され、1998年10月に厚生労働省がMEDを認可し日本でも手術できるようになりました。

和歌山県立医大の整形外科学教室は、この手術をいち早く取り込んで日本人の様々な脊椎変性疾患に対応できるように手術器具や光学医療機器を新たに開発しました。その結果、新たな手術法(MEF・MEL・MELF・tabdem手術など)を作り上げ、低侵襲化された脊椎内視鏡手術が完成しました。

2004年日本整形外科学会は脊椎内視鏡下手術技術認定医制度を設立し、安全に手術が行える手術技術認定医の育成を開始しました。

2005年に脊椎内視鏡手術は保険適応となり、次第に全国へと普及していきました。その結果、低侵襲な手術であるだけでなく、術後の短期成績や中期成績が良好であり、最近では長期成績もきわめて良好であることも判明しています。

脊椎内視鏡手術の様子

1) 手術部位を透視画面で確認してマークします

2) 17mmほどの皮膚切開を加えます

3)筋肉線維間を拡大する

  • はじめに5.3mmのダイレーターを筋肉間から留置。
  • 順次大きいダイレーターを挿入し、筋肉間を拡大する。
  • 最後に16mmの円筒を留置して固定する

4)円筒内に内視鏡を設置

内視鏡にカメラヘッドとライトケーブルを接続し、吸引管も接続して円筒内で手術を行う。

5)脊柱管内の術後は、ドレーン(血抜きの管)を留置し、皮下埋没縫合して皮膚はテープ固定する(抜糸不要)

脊椎内視鏡手術と従来法の創部